更北地区（読み）こうほくちく

日本歴史地名大系

更北地区
こうほくちく

• 長野県：長野市
• 更北地区

川中島平の東北隅。北部を犀（さい）川が西から東に流れ、東部を千曲川が南から北に流下する。北東部は両川が合流する川合（かわあい）の集落。標高三五〇メートルの平坦地。「和名抄」記載の氷（ひがの）郷・池（いけ）郷はこの地域に比定されるとともに、「延喜式」神名帳記載の氷斗売（ひかなとめ）神社・頤気（いき）神社も存在する。千曲川右岸に比定される大室（おおむろ）牧は左岸の馬嶋・川合に及んでいたと考えられる。中世の氏人には馬嶋・川居・綱島・広田の諸氏がある。北に善光寺、東に海津（かいづ）城を控えたこの地帯は天文・弘治・永禄にかけて甲越合戦場となり戦場の数が多い。近世初頭には北国脇往還が通じて丹波島（たんばじま）宿が設けられた。

近世から近代にかけて下堰（しもせぎ）・小山（こやま）堰・鯨沢（くじらさわ）堰が開発され豊かな二毛作地帯となった。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」