最適通貨地域(読み)さいてきつうかちいき(その他表記)optimum currency area

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「最適通貨地域」の意味・わかりやすい解説

最適通貨地域
さいてきつうかちいき
optimum currency area

最適通貨圏ともいう。ヨーロッパ共同体 EC通貨統合の経験をふまえつつ,これに理論的な基礎を提供した理論。 1961年に R.A.マンデルが創唱し,R.I.マッキノンや P.B.ケネンらが発展させた。つまり国家の枠にとらわれず,1つの共通通貨を使用したほうが適当かつ効率的と考えられる地域やその考え方をいう。通貨が流通する地域が広いほど利便性は高まるが,広すぎると資本労働などの生産要素が域内で完全移動しなくなるため地域的な失業インフレーションが発生し,金融政策舵取りが困難となり,地域的な経済政策が制約される。最適通貨地域の条件としては,生産要素が完全移動するような地域であり,必ずしも国境とは一致せず,複数の国を含む地域となる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android