ヨーロッパ共同体(読み)ヨーロッパきょうどうたい(英語表記)European Community

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨーロッパ共同体」の意味・わかりやすい解説

ヨーロッパ共同体
ヨーロッパきょうどうたい
European Community; EC

ヨーロッパ経済共同体 EECヨーロッパ石炭鉄鋼共同体 ECSCヨーロッパ原子力共同体 EURATOMの3機関による地域経済統合体。 1967年6月ベルギーブリュッセルで開かれた EEC理事会で採択され,同年7月1日に発足した。原加盟国はフランス,ドイツ (西ドイツ) ,イタリア,ベルギー,オランダルクセンブルクの6ヵ国。 73年1月1日よりイギリス,アイルランドデンマークが,また 81年1月1日にギリシアが加盟し,さらに 86年1月1日にはポルトガルスペインが加盟した。運営担当機関として次の5つがある。 (1) ヨーロッパ議会 (2) EC閣僚理事会 (3) ヨーロッパ共同体司法裁判所 (4) EC委員会 (5) ヨーロッパ共同体首脳会議。拡大された ECの課題は共通農業政策通貨統合とされたが,ECの基本性格は関税同盟なので,加盟国内は関税ゼロ,域外諸国には共通関税が設定された。さらに域内の労働力移動の自由化,ヨーロッパ通貨制度 EMSの導入などを経て,92年末には「市場統合」を果した。 93年 11月マーストリヒト条約発効により,より発展した形としてヨーロッパ連合 EUとなっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨーロッパ共同体」の意味・わかりやすい解説

ヨーロッパ共同体
よーろっぱきょうどうたい
European Community

略称EC。第二次世界大戦後のヨーロッパを建て直すための地域統合機構であったヨーロッパ経済共同体(EEC)、ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体(ECSC)、ヨーロッパ原子力共同体(EURATOM)の3機関を一本化した総称。EC憲法(ローマ条約)を改正したEC新憲法(マーストリヒト条約)が1992年調印、93年11月1日発効し、EC加盟12か国はEU(ヨーロッパ連合)となった。

[編集部]

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