有家城跡(読み)ありえじようあと

日本歴史地名大系 「有家城跡」の解説

有家城跡
ありえじようあと

[現在地名]西有家町慈恩寺名

上城平かみしろびら(標高六〇メートル)に築かれた中世の城跡。史料上は有江城とも記され、慈恩寺じおんじ城・大垣おおがき城ともいう。里坊名本丸平さとぼうみようほんまるびら大浦おおうら城跡とされる遺構を有家城跡とする説もある。応安七年(一三七四)当時は南朝方であった有馬澄世が用いており、九州探題の今川了俊軍勢による八月二五日の攻撃で敗れたという(北肥戦誌)。永徳元年(一三八一)了俊肥後にあって西征将軍宮方を攻略していたが、菊池(鳥栖)武資・有馬泰隆が近郷の諸家とともに有家城で蜂起したことを知って、一二月二二日に海路をもって来軍、当城の出城大浦城を攻撃した。大浦城に拠った軍勢は有家城とはかって今川了俊方を挟み、里坊山に逃れるところをさらに城兵が追い、北目方面に敗走させたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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