有屋峠(読み)ありやとうげ

日本歴史地名大系 「有屋峠」の解説

有屋峠
ありやとうげ

役内やくないの西南約四キロ、山形県との県境に位置する。南に水晶すいしよう森、北にくろ森があり黒森峠ともよばれる。標高九三四メートル。

慶長八年(一六〇三)までは羽州街道が通り、最上氏領最上もがみ有屋ありや(現山形県最上郡金山町)から役内村・横堀よこぼり村を経て、湯沢(現湯沢市)方面へ通じていた。文禄元年(一五九二)以前には最上氏領・小野寺氏領の境となっていたものと思われ、「奥羽永慶軍記」に天正一八年(一五九〇)五月の最上氏と小野寺氏の「有屋峠の合戦」を伝える。

慶長八年佐竹氏は領国経営の一環として雄勝峠(院内杉峠)の開発を進め、有屋峠越えの街道は停止されることとなる(秋田沿革史大成)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android