朝倉館跡(読み)あさくらやかたあと

日本歴史地名大系 「朝倉館跡」の解説

朝倉館跡
あさくらやかたあと

[現在地名]福井市城戸内町 新御殿

城戸内のやや南寄り東側山麓にあって、背後に一乗城跡を負い、北・西・南の三方を土塁と堀によって囲まれる。「朝倉始末記」によって少なくとも朝倉義景時代の居館であったことは確認できるが、それ以前の朝倉氏歴代の居館を継承したものかどうかは不明。慶長三年(一五九八)七月一九日付の駒井中務少輔書状(心月寺文書)に「拙者打口一乗谷之内義景屋敷之内并犬馬場柳之馬場土居之内之分」とあるが、館跡の北側に柳馬場やなぎのばば、西側に犬馬場いぬのばばの通称が残り、その外側に土塁跡の痕跡も認められる。また「朝倉始末記」は灰燼となった館の様子を「篠ノ小篠ヲ分テ入テ見レバ、古ノ鶴ノ間、猿猴ノ間、数奇ノ座敷ノ跡ヤラン、草茫々トシテ、蕀芝蘭ノ茂合、郊原寂寞トシテ、ソコトモ知ヌ傍ニ、奇巌奇石峙テ」と記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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