城戸内村(読み)きどのうちむら

日本歴史地名大系 「城戸内村」の解説

城戸内村
きどのうちむら

[現在地名]福井市城戸内町

一乗谷口に近く、安波賀あばが村の南に位置する。南の西新町にしじんまち村・東新町村とは上城戸を境とし、北の安波賀村とは下城戸を境とする。すなわち南北を城戸に挟まれた地域で、村名もこれに由来。正保郷帳に「鬼戸内村」と記され、田方七石余・畠方一六六石余。田方が少ないのは朝倉氏の城下町跡を農地としたためかと思われる。集落は一乗谷川に沿い、右岸新座しんざいち左岸山麓やまいちなど三ヵ所に分居する。

〔地名と遺跡〕

村域内やや南の東側山麓に朝倉館跡、その背後山頂に一乗城跡があり、朝倉氏時代には谷中を北流する一乗谷川を挟んで武家屋敷寺院町屋など城下町が形成されていた。永禄一一年(一五六八)五月一七日足利義昭が朝倉館を訪れた際の「辻固之衆次第」(朝倉始末記)に、大橋おおはしとおり柳馬場やなぎのばば坂野さかの小路しようじ上殿ノ橋ノ通うえどののはしのとおり遊楽寺前ゆうらくじまえ三輪小路みわしようじ笠間小路かさましようじ河原前かわらまえ木戸きどもと・クラカリ谷などの地名がみえるが、柳馬場・上殿・遊楽寺・笠間(笠場か)以外は正確な位置は不明。また慶長三年(一五九八)城戸内検地帳(「越前及若狭地方の史蹟」所引)は「にしきど西木戸即ち上木戸・新御殿前・桜井前・さいかうじ・大隅谷・二郎右衛門谷・八幡の前・祇園・道福・矢地口・前波・たていわ・土居の内・あさかまへの内・柳木馬場・犬馬場」の地名を記すが、これにも現在すでに知りえない地名がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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