茶の湯(読み)チャノユ

デジタル大辞泉 「茶の湯」の意味・読み・例文・類語

ちゃ‐の‐ゆ【茶の湯】

客を招き、抹茶をたてて楽しむこと。また、その作法会合。→茶道
茶をたてるために沸かす湯。
鑵子の弦の熱きにも煮ゆる―は面白や」〈虎明狂・通円
[類語]茶道お茶野点点茶茶会

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改訂新版 世界大百科事典 「茶の湯」の意味・わかりやすい解説

茶の湯 (ちゃのゆ)

喫茶中心とする宴の芸能として発展した日本独特の生活文化室町時代にその発生展開をみたときには〈数寄〉〈茶の湯〉などと呼ばれた。江戸時代初期に芸道意識が強まって〈数寄道〉〈茶道〉の語が生まれ,今日では〈茶の湯〉〈茶道〉が一般的である。両者はほぼ同義であるが,茶道には精神性や修行性がより強く響くので,近年は茶道のほうが広く使われている。
茶道
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「茶の湯」の解説

茶の湯
ちゃのゆ

喫茶を中心とした室内芸能。仏前への献茶儀式に由来し,その起源仏教伝来と同じ頃と考えられるが,文献の上では空海の「奉献表」(814)にある「茶湯」が古い。室町中期の茶の湯の成立期から使われだし,千利休の時代になると一般にも茶の湯の語が普及。江戸時代には「茶の湯」も「茶道」もほぼ同じ意味で使用。その後は精神的修行の一貫としての意識が強くなり,「茶道」の語でほぼ統一された。茶の湯については,禅宗の影響を強くうけていることから精神修養の一貫としてみるもの,主客一体となって芸術舞台をつくるにも似た室内芸術という見方,「寄合性」の強い日本文化の純粋な表現とするなど多様な見解がある。

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百科事典マイペディア 「茶の湯」の意味・わかりやすい解説

茶の湯【ちゃのゆ】

茶道(ちゃどう)

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デジタル大辞泉プラス 「茶の湯」の解説

茶の湯

古典落語の演目のひとつ。「素人茶道」とも。三代目三遊亭金馬が得意とした。オチは考えオチ。主な登場人物は、旦那、小僧。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「茶の湯」の意味・わかりやすい解説

茶の湯
ちゃのゆ

茶道

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旺文社日本史事典 三訂版 「茶の湯」の解説

茶の湯
ちゃのゆ

客を招いて抹茶 (まつちや) をたて,懐石の供応などをすること。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「茶の湯」の意味・わかりやすい解説

茶の湯
ちゃのゆ

茶道」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の茶の湯の言及

【安土桃山時代】より

…このころ中国からはどんす織の技術などが渡来している。 またこの時代に,風雅な枯淡美のなかに豪大な気風をあらわす茶の湯が,武将や町人の間に広まった。茶会は社交の域を超えて政治的折衝の場となり,茶の作法は大名たちの必須の教養となった。…

【数寄】より

…茶の湯を意味する言葉。平安時代には,〈好く〉の連用形である〈好き〉は色好み,あるいは風流文雅を好むこと,の意味であった。…

【茶事】より

…茶の湯で来客を接待することを茶事と称するが,それは単に抹茶を点(た)て,供するだけでなく,必ず懐石(簡単な食事)を伴う。茶の湯,さらに茶の会(茶会)とは,喫茶のための会と認識されているが,それは大きな誤解であって,茶の湯は呈茶とともに,茶の湯の食事(懐石)を包摂するものなのである。…

【茶道】より

…茶道という言葉は17世紀初頭になって,規範的な〈道〉の思想が強く意識されて登場してくる。それまでは茶の湯とか数寄(すき)と呼ばれており,今日でも茶の湯と茶道はほとんど同義に用いられている。また〈さどう〉〈ちゃどう〉両様のよみ方があって一定しない。…

【東山文化】より

…東山文化において同朋衆の役割はきわめて大きい。 東山文化には,このように生活文化の色彩が濃厚であるが,その中心をなすのが立花と茶の湯で,都市の発達がその要因をなしている。花の世界では六角堂頂法寺の池坊(いけのぼう)専応が現れ,以後池坊がこの分野を領導する。…

【室町時代美術】より

…鎌倉時代以来の社寺絵所に属する木仏師,絵仏師などがもはや世襲による座の特権を維持できず,民間工房化してゆく一方で,これらの工匠の家系や,やまと絵における土佐派,漢画における狩野派のような新しい特権をもった家門が美術の各分野にあらわれるのは,後期美術の一つの特色である。また,後期においては,茶の湯の流行にともない,芦屋釜天明釜の意匠に工夫がこらされ,鑑賞に適するものになっている。
[障屛画]
 文明から明応(1469‐1501)にかけてのころになると,障屛画の遺品もしだいにみられるようになる。…

※「茶の湯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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