朝鮮会社令(読み)ちょうせんかいしゃれい

改訂新版 世界大百科事典 「朝鮮会社令」の意味・わかりやすい解説

朝鮮会社令 (ちょうせんかいしゃれい)

日韓併合直後の1910年12月に公布され,翌年1月に施行された法令正称は会社令。全文20条からなり,関連施行細則が出されている。朝鮮において会社を設立したり,朝鮮外で設立した会社の本店支店を朝鮮内に設置する場合,朝鮮総督府許可をうけることが義務づけられ,会社設立の際の日本国内の準則主義とは異なり許可主義がとられている。運用における厳しさも加わって,同令は朝鮮における会社,とくに朝鮮人会社の設立を抑制するものであったと評価され,民族差別・朝鮮民族資本抑圧・反工業化政策の代表例とされる場合がある。併合以前の韓国統監府時代にも会社設立に関しては請願許可主義がとられているので,その延長ともいえる。

 14年11月,18年6月と2度にわたる改正で許可制限が緩和され,また20年4月には,第1次世界大戦に伴う好況による日本から朝鮮への資本移出の増大と,三・一独立運動以後の統治政策の転換のために廃止された。
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「朝鮮会社令」の解説

朝鮮会社令
ちょうせんかいしゃれい

1910年(明治43)12月に公布,翌年1月に施行された植民地朝鮮における法令。会社設立,および朝鮮以外で設立された会社の本・支店設置について朝鮮総督府の許可が義務づけられ,朝鮮人による会社設立を抑制するものであった。日本国内からの反発もあり,14年(大正3)・18年と2度の改正で許可制限が緩和され,20年4月に文化政治への統治政策の転換により廃止された。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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