朝鮮系(読み)ちょうせんけい(その他表記)Chosǒn system

改訂新版 世界大百科事典 「朝鮮系」の意味・わかりやすい解説

朝鮮系 (ちょうせんけい)
Chosǒn system

朝鮮半島における前期古生代(カンブリア紀~中期オルドビス紀)の一連の地層をいう。朝鮮半島の古生層はこの朝鮮系と後期古生代の平安系Pyeongan system(後期石炭紀~二畳紀~三畳紀)で代表されるが,後期オルドビス紀~前期石炭紀の地層は確認されていない。しかしレキ岩中の礫(れき)としてシルル紀デボン紀化石を含む岩石が報告されている。朝鮮系は中~東部朝鮮の石灰岩台地太白山脈)と北西朝鮮の石灰岩台地に広く分布し,次の二つに分けられる。(1)陽徳統Yangdǒk series(早~中期カンブリア紀)は先カンブリア時代の花コウ片麻岩や原生代の祥原系Sangwǒn series(中国の狭義の震旦系と同時代)を不整合でおおっている。レドリキアなどの三葉虫化石によって四つの化石帯に分けられる。(2)大石灰岩統Great limestone series(後期カンブリア紀~中期オルドビス紀)は厚い石灰岩を主とし,粘板岩,ケイ岩を伴う。三葉虫,頭足類,腕足類,腹足類,二枚貝,筆石などの化石が石灰岩より産し,16の化石帯に分けられる。最近,コノドント微化石が後期カンブリア紀~中期オルドビス紀の地層から発見された。飛驒高地からも,最近日本ではじめてオルドビス紀とみなされる化石が発見された。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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