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北部の狼林山脈とともに朝鮮半島の脊梁をなす山脈。東朝鮮湾の元山の南に発し,日本海沿いにまっすぐ南下して釜山市の多大浦に達する。長さは約600km。基盤が古期の花コウ片麻岩類から成り,山脈全体が白く見えるところから命名されたと思われる。ところどころにみられる花コウ岩層が激しい浸食作用を受け,複雑な山容をあらわしている。山脈の南端にある主峰太白山(1546m)は,湖南地方(全羅道)と嶺南地方(慶尚道)を分かつ小白山脈との分岐点をなすが,東麓一帯には無煙炭が豊富に埋蔵され,石灰石,森林資源などとともに〈太白山地域総合開発計画〉のもとに開発がすすめられている。太白山から北に五台山,雪岳山,金剛山などの高山がそびえ,それぞれ山岳信仰の中心となっている。山脈の西斜面には南西方向に数本の支脈が発達し,ゆるやかに黄海に没している。一方,東斜面は南北方向の断層崖の発達により急傾斜となっており,東側では海岸までの距離が平均16kmと狭く,広い平地がみられない。平均高度800mの太白山脈が東西交通を阻んできたが,1976年に江原道の大関嶺を越える高速道路が開通し,それまでバスで8時間半かかったソウル~江陵間が3時間半に短縮され,太白山地の観光資源,自然資源の開発が進められている。
執筆者:谷浦 孝雄
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朝鮮半島のほぼ中央の半島の東海岸(日本海側)沿いに南北に走る脊梁(せきりょう)山脈。500キロメートルに及び朝鮮一の長い山脈。東斜面は急峻(きゅうしゅん)で海に迫り、西斜面は緩く広い嶺西(れいせい)高原を展開している、非対称傾動山地である。山体は花崗(かこう)岩と花崗片麻(へんま)岩が基盤岩となっている。太白山脈中には北から南へ、世界的な名山、金剛山(1638メートル)をはじめ雪岳山(1708メートル)、五台山(1563メートル)、太白山(1561メートル)が並び、南下するにしたがって低い残丘を残している。これらの山地には六百山頂のような高位平坦(へいたん)面を残している。山脈の東斜面を嶺東地方、西斜面を嶺西地方とよんでいるが、山脈の鞍部(あんぶ)である鉄嶺(685メートル)、大関嶺(865メートル)などは、交通路が発達していない時代は東西間の重要な交通路であった。
[魚 塘]
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