精選版 日本国語大辞典 「木更津船」の意味・読み・例文・類語
きさらづ‐ぶね【木更津船】
- 〘 名詞 〙 上総国(千葉県)木更津と江戸を往来した小廻しの廻船。慶長一九年(一六一四)の大坂の陣に木更津の水夫が徳川水軍麾下にあって功をたてたので、幕府から種々の特権を与えられ、幕府の御用船として御城米廻送を行なうほか、商人米・薪炭・乗客などの輸送に従事し、江戸湾内水運の主力となって商品流通・交通に大きな役割を果たした。船は五大力と称する海船と川船との折衷型で、通常の弁才型荷船に比べて細長く喫水が浅い。また、舷側には棹を使うための足場を設け、川船としての機能をもたせてあり、百石積から三百石積くらいの大きさであった。
- 木更津船
- [初出の実例]「きさらず舟に縁切が乗」(出典:雑俳・菊多摺(1766))