朝日日本歴史人物事典 「木村高敦」の解説
木村高敦
生年:延宝8(1680)
江戸中期の幕臣,歴史考証学者。通称弥十郎,字は世美。毅斎と号する。幕臣根岸直利の3男であったが,同じ幕臣木村義久の養子となる。享保4(1719)年大番組士になったのを始めとして,新番組士,西丸 賄頭 を歴任し,寛保1(1741)年西丸広敷用人となる。この間,徳川家康の事跡に関する史料の収集と整理に努め,家康の一代記である『武徳編年集成』を著した。これは,それまでの官選の家康事跡録であった『武徳大成記』の記事の信憑性に不満であった8代将軍吉宗の注目するところとなり,寛保1年献上された。ほかに『武家閑談』『武徳安民記』などの著書がある。
(小宮木代良)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報