日本歴史地名大系 「木谷藤右衛門屋敷跡」の解説 木谷藤右衛門屋敷跡きやとうえもんやしきあと 石川県:金沢市旧石川郡地区粟崎村木谷藤右衛門屋敷跡[現在地名]金沢市粟崎町加賀藩の豪商木谷(木屋)家の屋敷跡。同氏は近世初頭粟崎(あわがさき)村に来住、粟崎船団を率いる海商として知られる。文久元年(一八六一)の蓮湖両岸真景之図(喜楽家蔵)には大野(おおの)川に面した広大な同家の屋敷が描かれている。同氏の先祖は近江の住人で九条兼実の庶流と伝え、代々藤右衛門を名乗り、近江京極氏・越前朝倉氏などに仕えたという(石川郡誌)。当地来住後海運業を始め、加賀藩と結んで加賀米の回漕、御用材の移入などを行った。寛保三年(一七四三)には大坂登米一万九千石の御船裁許を命じられ、五代目の明和九年(一七七二)には江戸の大火に際し冥加銀一〇〇貫目を調達したとされる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by