本万徳名(読み)ほんまんとくみよう

日本歴史地名大系 「本万徳名」の解説

本万徳名
ほんまんとくみよう

・万得名とも記される。薩摩国建久図田帳には高城たき郡内公領一四二町のうちに万一五町があり、名主は在庁師高。また草道万くさみちまんとく一五町、名主紀大夫正家も記される。師高は本姓伴氏で薩摩国衙の権掾、その子孫は武光氏を称した。「宮之城記」所収の建久四年(一一九三)の薩摩国諸郡注文に、高城郡分六名のうちに万得名があげられる。嘉禎四年(一二三八)一二月日の大蔵種良陳状(旧記雑録)には本万得名主代成俊とある。同陳状によれば、本万得名内の水田松本八反などは師高から八幡新田宮権大宮司大蔵種良へ沽却された地で、売券には師高嫡子師永と舎弟本万得名主師綱の加判があるという。だが師高孫本万得名主代成俊は種良に水田の返付を求めて訴訟を起こし、これに対し種良は師高の売券等案を進め自らの領有であることを主張している。この頃になると師高の系統伝領した万得が本万得名と称されるようになったものであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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