旧記雑録(読み)きゆうきざつろく

日本歴史地名大系 「旧記雑録」の解説

旧記雑録
きゆうきざつろく

伊地知季安・伊地知季通編

別称 薩藩旧記雑録薩藩旧記

原本 東京大学史料編纂所

写本 国立公文書館内閣文庫・京都大学文学部博物館・鹿児島県立図書館

解説 幕末鹿児島藩の記録奉行伊地知季安・季通父子二代が編纂した島津家中心の編年史料集。延暦二二年から明治二八年に至る諸種の文書や記録など約三万六千点を収める。季安らが筆写採録した史料の中には現在失われたものも多く、南九州の歴史研究には最も基本的で重要な史料集といえる。季通による編纂補修は明治三四年に没するまで続けられた。東京大学史料編纂所本は三六二巻(前編四八巻・後編一〇二巻・追録一八二巻・付録三〇巻)からなり、内閣文庫本は六八巻(前集三六巻・後集三二巻)、鹿児島県立図書館本(旧県庁本)は七六巻(前編三六巻・後編三五巻・付録五巻)である。このうち内閣文庫本は、明治になって季安・季通父子の「旧記雑録」の存在を知った内閣修史局が全巻謄写を依頼、季通が体裁を整えて県史局の役人に謄写させ、同一三年に東京に送り内閣修史局に提出した写本後者はこのとき作られた県庁の控(副本)にその後の追補分八巻(後編三巻・付録五巻)が加わったもの。

活字本 鹿児島県史料「旧記雑録」前編一―二(延暦二二年―天文二三年)・同後編一―六(天文二四年―正保元年)・同追録一―八(正保二年―明治二八年)・同付録一―二(年代不明文書)

旧記雑録
きゆうきざつろく

伊地知季安・伊地知季通編

別称 薩藩旧記雑録・薩藩旧記

原本 東京大学史料編纂所

写本 国立公文書館内閣文庫・京都大学総合博物館・鹿児島県立図書館

解説 近世末の薩摩鹿児島藩の記録奉行伊地知季安・季通父子二代が編纂した島津家中心の編年史料集。前編四八巻・後編一〇二巻・追録一八二巻・付録三〇巻からなり、延暦二二年から明治二八年に至る諸種の文書や記録など約三万六千点を収める。季安らが筆写採録した史料の中には現在失われたものも多く、島津家および鹿児島藩の基本的で重要な史料集であるだけでなく、対琉球関係史料をも含んでいる。

活字本 鹿児島県史料「旧記雑録」前編一―二(延暦二二年―天文二三年)・同後編一―六(天文二四年―正保元年)・同追録一―八(正保二年―明治二八年)・同付録一―二(年代不明文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

百科事典マイペディア 「旧記雑録」の意味・わかりやすい解説

旧記雑録【きゅうきざつろく】

幕末の鹿児島藩の記録奉行であった伊地知(いじち)季安・季通父子が2代にわたって編纂した,島津家を中心とする編年体の史料集。薩藩旧記雑録(さっぱんきゅうきざつろく)・薩藩旧記とも称される。東京大学史料編纂所に所蔵される原本は,前編48巻・後編102巻・追録182巻・付録30巻の計362巻からなり,803年から1895年にいたる約3万6000点の文書・記録などを収める。これらのうちには現在原本が存在しないものも多く,南九州の歴史研究の基本史料となっている。
→関連項目島津家文書

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