本城郷(読み)ほんじようごう

日本歴史地名大系 「本城郷」の解説

本城郷
ほんじようごう

北西流する川内せんだい川流域にあり、現菱刈町域のほぼ西半を占める。郷の南部は山間の畑作地帯で、中部・北部は川内川本支流に面する稲作地帯であった。

〔中世〕

藤原姓菱刈氏系図(菱刈文書)によれば、左大臣藤原頼長の曾孫重妙は、保元元年(一一五六)後白河天皇より菱刈両院七〇〇余町を与えられ、建久五年(一一九四)京都より菱刈郡太良たら院に下向し、本城に居城を構え菱刈と号したと伝える。本城の名は菱刈氏の本拠が置かれたことに由来するが、本拠太良城(平城・平良城・菱刈本城)築城の時期は不明。おそらく鎌倉―室町期に菱刈氏が勢力を拡大していく過程で築かれ、南北朝初頭以降菱刈氏の本城となったとみられる。菱刈氏はその後馬越まこし城を居城とするに至った。永禄一〇年(一五六七)一一月二四日馬越城が島津氏に攻略されると、菱刈氏は太良城など八城を放棄し、大口城に籠った(「島津貴久譜」旧記雑録など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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