本納城跡(読み)ほんのうじようあと

日本歴史地名大系 「本納城跡」の解説

本納城跡
ほんのうじようあと

[現在地名]茂原市本納

標高四〇メートルから五〇メートルの丘陵上に築かれた中世の城跡。字本城山ほんじようやまを中心に派生する五本の支尾根を城域に取込んでいる。城域は東西七〇〇メートル・南北五〇〇メートルほどの規模を有し、上総でも第一級の大規模城郭といえる。「土気古城再興伝来記」などによると、戦国期に黒熊大膳亮が居城し、土気とけ(現千葉市緑区)の酒井氏との合戦で落城したと伝える。その時期は永禄一二年(一五六九)とも、大永年間(一五二一―二八)ともいう。しかし史料は乏しく、築城時期は不明。永禄一二年のものとみられる一二月二八日の北条氏康書状写(小田原編年録首巻)千葉胤富に宛てられたものの写で、これによれば「本納外曲輪」が敵(正木氏か)に占拠されたが、北条氏政援軍に赴いたため敵は退却している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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