朽木形(読み)クチキガタ

デジタル大辞泉 「朽木形」の意味・読み・例文・類語

くちき‐がた【朽(ち)木形】

木が腐食して、木目が残ったり浮き上がったりしているように見える文様。ふつう、白地蘇芳すおうで染めつけ、几帳壁代かべしろなどに用いる。朽ち木文様。

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精選版 日本国語大辞典 「朽木形」の意味・読み・例文・類語

くちき‐がた【朽木形】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 木が腐食して、木目(もくめ)が残ったり浮き上がったりしている状態を図案化した文様。白地に蘇芳で表現するのをふつうとする。几帳や壁代(かべしろ)などに広く用いる。冬の調度につけるのを原則とする。朽木模様。
    1. 朽木形<b>①</b>〈源氏物語絵巻〉
      朽木形源氏物語絵巻
    2. [初出の実例]「あをやかなる御簾(みす)の下より、几帳のくちきがたいとつややかにて」(出典:枕草子(10C終)八九)
  3. 消炭や焼き筆で描いた下絵
    1. [初出の実例]「被宸筆於画図、後日以件朽木形、仰付橘以量朝臣、令終彩色之微功」(出典:実隆公記‐延徳二年(1490)正月紙背(後土御門天皇御自画像銘案))

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