朽木陣屋跡(読み)くつきじんやあと

日本歴史地名大系 「朽木陣屋跡」の解説

朽木陣屋跡
くつきじんやあと

[現在地名]朽木村野尻

安曇あど川にきた川が合流する段丘上、背後はかつて天台寺院があったという洞照寺とうしようじ山で、北川対岸に市場いちば集落を見下ろす。かつては承久三年(一二二一)佐々木信綱入部以来朽木氏はこの地に居したといわれたが、現在では関ヶ原の戦功により朽木元綱が九千五九〇石を賜って以降、この地に本格的な城郭を築いたと考えられている。朽木氏は禄高は一万石に満たないが、大名に準じて本邸を領地におき、幕府交替寄合として江戸に参勤した。本来なら寄合は若年寄支配であるが、朽木本家は老中支配であった。別家友綱系の屋敷が東万木ひがしゆるぎ(現安曇川町)にあり万木朽木とよばれたのに対し、本家は谷朽木と称した。朽木陣屋古図(朽木村公民館蔵)によれば、東西一七七メートル・南北九二メートルの本丸の東から南にかけて鉤形に二の丸(東西五〇七メートル・南北一一二メートル)をめぐらし、西に三の丸(東西一四九メートル・南北一三七メートル)を配置する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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