李治(読み)りち(英語表記)Li Zhi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「李治」の意味・わかりやすい解説

李治
りち
Li Zhi

[生]明昌2(1191)
[没]至元16(1279)
中国,金末元初の数学者。李冶 (りや) とも書く。真定欒城 (らんじょう。河北省) の人。字は仁卿,号は敬斎。金,正大7 (1230) 年の進士。金滅亡後放浪し,その間新しい数学を学び,定宗3 (1248) 年に代数学の一種である天元術の先駆をなす『測円海鏡』 (12巻) を著わした。世祖は即位前その賢を知って召し,治国の方策などに関し問答をし,即位後翰林学士に招いた。元好問と交遊し文章が巧みで,『敬斎文集』 (40巻) その他があり,算学書に『益古演段』 (3巻) がある。『益古演段』は連立方程式の解を示しているが,複雑であるため,後世にまったく影響を与えなかった。

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世界大百科事典(旧版)内の李治の言及

【李冶】より

…中国,金末の数学者。李治(りち)とも称される。字は仁卿,号は敬斎。…

※「李治」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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