世祖
せいそ
(1417―1468)
朝鮮、李朝(りちょう)第7代の王(在位1455~68)。諱(いみな)は
(じゅう)。第4代世宗の第2子。即位前は首陽大君を称した。甥(おい)の端宗(在位1452~55)即位後の1453年、皇甫仁(こうほじん)らの重臣を殺害して政権を握り(癸酉靖難(きゆうせいなん))、ついで王位を譲られた。官制改革、軍制(五衛制)の確立、職田(しょくでん)法の制定と貢物上納量の改定、『経国大典』の編纂(へんさん)など、統治体制の整備を進めて王権を強化する一方、東北の土豪李施愛(りしあい)の反乱を鎮圧し、国境外の女真(じょしん)を攻撃して武威をあげ最盛期をもたらした。
[糟谷憲一]
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せい‐そ【世祖】
[1] 〘名〙 一世の
祖先。中国で、太祖・高祖・太宗などについで朝家の基礎を固めた
天子の尊号。武帝、文帝、孝元帝、孝武帝など、それぞれ諡号
(しごう)の上に冠して呼ぶ。特に、後
漢の
光武帝、
魏の
曹丕(そうひ)、元の
フビライなどが有名。〔
張衡‐東京賦〕
[2]
[一] 中国、後漢の初代皇帝、
劉秀(りゅうしゅう)(=光武帝)。
[二] 中国、三国魏の初代皇帝、曹丕。
[三] 中国、三国晉の初代皇帝、司馬炎。
[四] 中国、
北魏の第三代皇帝、拓跋燾
(たくばつとう)。
[五] 中国、元朝の初代皇帝、フビライ。
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せいそ【世祖 Se‐jo】
1417‐68
朝鮮,李朝の第7代国王。在位1455‐68年。本名は李
(りじゆう)。世宗の第2子。クーデタで甥の端宗を追放し,政権を奪った。1466年,科田法を廃止して職田法を施行した。学問を奨励し,《経国大典》《国朝宝鑑》《東国通鑑》などの編纂事業を進めた。また軍備を整え,67年の李施愛の反乱を鎮圧し,豆満江方面の女真人を征討した。一方,日本とは盛んに修好・通商を行い,多数の日本人が朝鮮の三浦(さんぽ)(乃而(ないじ)浦,富山浦,塩浦)に居住した。
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