改訂新版 世界大百科事典 「杓子舞」の意味・わかりやすい解説 杓子舞 (しゃくしまい) 民俗芸能。囃子舞(はやしまい)の一つ。しゃくしは招福・延命の呪具と考えられるが,しゃくしを採物(とりもの)として,〈見さいな見さいな 杓子舞を見さいな〉などと演者が歌いながら舞う囃子舞である。現行曲ではないが,新潟県柏崎市女谷(おなだに)の綾子舞(あやこまい)の囃子舞25曲の一つに見え,中世末から近世にかけて行われていたことがうかがえる。東北地方の囃子舞の中にも伝えられており,また愛知県北設楽(きたしたら)地方の花祭の〈みこ舞〉は道化がしゃくしと鈴を持って舞う。執筆者:西角井 正大 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報