山川 日本史小辞典 改訂新版 の解説
東大寺 三月堂日光・月光菩薩像
とうだいじさんがつどうにっこう・がっこうぼさつぞう
三月堂本尊不空羂索(ふくうけんじゃく)観音像の左右に脇侍(きょうじ)として安置される一対の塑像(そぞう)であるが,当初から本尊と一具であったかどうか明らかでない。日光・月光という呼称も近世以降のもので,像容からは天部または縁覚(えんがく)などの像として造られたとみられる。ともに髻(もとどり)を結い,合掌するよく似た姿ながら,表現や着衣の形式に微妙な違いがある。調和のとれた作風に天平古典彫塑の一到達点を示す。像高は日光206.0cm,月光207.0cm。国宝。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報