杵築郷(読み)きづきごう

日本歴史地名大系 「杵築郷」の解説

杵築郷
きづきごう

和名抄」所載の郷で、同書高山寺本・名博本に杵筑、東急本・元和古活字本に許筑とあるが、杵築大社などの例から杵築とし、訓もキヅキであろう。藤原宮跡出土木簡に「出雲評支豆支里大贄煮魚 須ゝ支」とある。「出雲国風土記」によれば出雲郡の八郷の一つで、郡家の北西二八里余に郷長の家があり、地名は八束水臣津野命が国引きしたあと、所造天下大神の宮に仕えようと諸皇神らが宮処に集い、「杵築きづ」いたことに由来し、寸付きづきと称していた。神亀三年(七二六)杵築に改めたという。天平一一年(七三九)の出雲国大税賑給歴名帳(正倉院文書)に杵築郷とあり、郷内に因佐里があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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