日本歴史地名大系 「松前嶋々細見之図」の解説
松前嶋々細見之図
まつまえしまじまさいけんのず
七六×七一センチ 写図彩色 文化年間頃 北海道大学附属図書館蔵
解説 一九世紀初頭の松前・蝦夷地で流布していた初期の実用蝦夷地図。輪郭は寛政初年に松前藩が作製した蝦夷地図(加藤肩吾の松前地図)を利用しているので、蝦夷島は右肩上がりで知床岬が宗谷岬の北東方にあり、襟裳岬が鋭く突出しているほか根室半島が知床半島と同等の大きさに描かれている。蝦夷島の北方にはカラフト島の南半分が東西に横たわっている。同図を実用地図として利用するために蝦夷地の会所や蝦夷村などを記号で表し、船路の方位と里程を記入している。絵図の周囲には陸路の里程が西部(松前から宗谷まで)、北部(宗谷から知床岬まで)、東部(松前から知床岬まで)に分けてそれぞれ各地間の里程と総里数が示されている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報