松巌院(読み)しようがんいん

日本歴史地名大系 「松巌院」の解説

松巌院
しようがんいん

[現在地名]岩国市藤生町五丁目

藤生ふじゆう卜院ぼくいんの地にあり、臨済宗天龍寺派に属したが、現在は単立寺院。鍾秀山と号し、本尊釈迦如来

古くは卜院と称する真言宗の寺で、牛野谷うしのやにある愛宕あたご神社の神宮寺であったらしい。慶長年中(一五九六―一六一五)に僧周伯が再興して禅宗に改めたと伝える。寛文八年(一六六八)の「古村記」には「理長院ト云禅寺アリ」とあり、「享保増補村記」は「元ハ卜院ト言、中頃理長院、今ハ松岩院トイヘリ」と記す。「玖珂郡志」は、「永興寺ノ末也、往古ハ真言寺ニテ卜院ト云、金仏十一面観音、開山徳俊法印トモ、山内ニ古キ五輪四ツ有之トモ銘文無之故、不分明、慶長年中御打入以後、当邑ヲ二宮佐渡守知行所ニ御配有之ニ付、古跡ヲ取立牌所トス、寺領五石寄附、慶長八年八月十五日卒、松岩院殿前佐州吏司延陽理長居士ト号、依テ理長院ト号、其後百回忌ノ時、松(巌)院ト改ム、本尊、往古ハ金仏、中頃十一面観音木仏、其後享保三年、本山ノ塔頭ノ釈尊ヲ招請シテ安置ス、開山周伯和尚」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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