松帆浦(読み)まつほのうら

精選版 日本国語大辞典 「松帆浦」の意味・読み・例文・類語

まつほ‐の‐うら【松帆浦】

(「まつおのうら」とも)
[1] 兵庫県淡路市岩屋、淡路島北端の松帆崎の海岸瀬戸内海国立公園の一部。歌枕。
万葉(8C後)六・九三五「名寸隅(なきすみ)の 船瀬ゆ見ゆる 淡路島 松帆乃浦(まつほノうら)に」
拾遺愚草(1216‐33頃)下「来ぬ人をまつほのうらの夕なぎやくやもしほの身も焦れつつ」
[2] 〘名〙
① (一)の「拾遺愚草」の歌を三遍唱えるまじない。これをすると、待人が来るという俗説があった。
※雑俳・柳多留‐一二一(1833)「嬉しいね松尾の浦かききいした」
② 来ない人を待ちこがれる情。
黄表紙・敵討義女英(1795)下「まつほのうらのものおもひ、はやうお顔が見たい」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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