松平郷(読み)まつだいらごう

日本歴史地名大系 「松平郷」の解説

松平郷
まつだいらごう

[現在地名]豊田市松平町

ともえ川の支流たき川の水源に位置する。本郷ほんごう森下もりした蔵連ぞうれの三つのきれに分れている。寛永郷帳では、松平郷のうち一七七石は「松平太郎左衛門并百姓共被下候」、一〇〇石は高月こうげつ院領、二〇石は「御屋敷ニ付」、三石は神領とある。

寛文六年(一六六六)から同七年にかけて、松平太郎左衛門領と高月院領の百姓一八名が、同家の山川田地の押領を幕府に出訴している。同七年の松平郷百性共訴状之一巻覚(神谷康重氏蔵)によると「去年も何角申、薇粉少も出シ不申、剰当年はか様成悪敷粉出候」とあり、年貢のワラビ粉上納に端を発して起こされたものであった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の松平郷の言及

【徳川氏】より

…義季は上野国新田郡世良田郷徳河(現,群馬県新田郡尾島町)を分与され,徳川(また得川)を称した。6代政義は新田義貞に従って本領をはなれ,親季・有親と諸国を流浪,親氏が三河国加茂郡松平郷(現,愛知県豊田市松平町)の松平信重の婿になり,松平氏を継いだ。松平7代清康が一時世良田を称したこともあるが,8代広忠までは松平氏であった。…

※「松平郷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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