松輪村(読み)まつわむら

日本歴史地名大系 「松輪村」の解説

松輪村
まつわむら

[現在地名]三浦市南下浦みなみしたうら町松輪

三浦半島先端南東部にあり、浦賀うらが水道に面する。北は金田かねだ村、西は毘沙門びしやもん村に接する。標高四〇―六〇メートルの海食台地谷戸からなり、海岸近くは集村で、台地や谷戸に家が点在する。建武二年(一三三五)九月二七日の足利尊氏充行下文(県史三)に「三浦内松和」とあり、中先代の乱の恩賞として三崎みさきなどとともに三浦高継に宛行われている。小田原衆所領役帳に大藤式部丞「五十貫文 三浦松輪」とある。

延宝二年(一六七四)江戸新肴場が設立されて以来の付浦であり、それ以前から漁業は盛んで、縄漁・菱突・長縄鮪漁・蛸壺漁・鰤長縄・鯛長縄などが行われていた。漁業年貢取調書(県史九)によれば、寛文九年(一六六九)には酒役一貫五〇〇文、蚫網役六貫文、船役二貫文、山下草代一八八文、縄船役二九貫六一〇文、同一二年に海老網役六貫文が加わり、若干の変動をみせながら、天保五年(一八三四)には海老網運上六貫五文一分、縄船運上一八貫一四文六分、酒屋銭五〇〇文六分、船役銭二四九文八分、蚫運上一〇貫三〇〇文、山銭二五六文五分、草山銭一八八文、肴仲買運上二五〇文、質屋冥加永二五〇文となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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