柄町(読み)ひしやくまち

日本歴史地名大系 「柄町」の解説


ひしやくまち

[現在地名]相川柄杓

上相川かみあいかわ台地の南西部に位置する。現在は人家はなく山林と化した。熊野比丘尼が相川へ渡り一町をつくったと伝え、勧進のさい持歩いた柄杓から町名が起こる。元禄七年(一六九四)検地帳(相川郷土博物館蔵)では町屋敷一反余。年不詳の相川町々書上帳(舟崎文庫蔵)では勺瓢ひしやく町と記し、町の長さ一五間。慶長一八年(一六一三)の地子銀帳(佐渡四民風俗)に「山先柄杓役」という税目がみえる。山先役は山先やまさき町の遊女から、柄杓役は比丘尼から取りたてた売春税で、相川では公認の売春婦だった。元和二年(一六一六)から比丘尼の売春は禁じられ、すぐ上の九郎左衛門くろざえもん町に集団転居する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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