柄杓(読み)ひしゃく

  • ▽柄×杓/×杓
  • ひさく
  • 柄杓/杓

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

水やなどの液体を汲む道具。昔,ひさごを2つに割って使ったために,それが訛した呼称という。木やタケ金属でつくった筒状状の容器に柄をつけたもの。古くはタケのを残して切ったもの,木のをくりぬいたものが使われ,のちにヒノキスギ曲げ物に柄をつけたり,たが締めのに柄をつけて塗りしたものなどがあった。現在はアルマイトなど金属製の鋺形容器に木の柄をつけたものが多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

水など液体をくむ道具。木、タケ、金属でつくった筒または椀(わん)状の容器に柄(え)をつけたもの。これをヒシャクとよぶのは、古く水など液体をくむのに、ヒサゴを二つに割って使ったので、ヒサゴの名から転訛(てんか)したという。古くはタケの節を残して切ったものや、木幹のこぶをくりぬいたものに柄をつけて使ったが、中世にはヒノキ、スギの曲物(まげもの)に柄をつけ、近世にはたが締めの桶(おけ)に柄をつけ漆(うるし)を塗ったものも行われた。なお、柄杓の大きさは用途によってさまざまで、酒造その他工業用や農村の施肥用は大形、馬飼用、散水用、台所用は中形で、茶の湯の柄杓は小形である。このように柄杓は、日常生活に必要な水など分配する道具としてたいせつであったが、中空の容器には神霊が宿るという信仰が古くからあったので、柄杓を神社に奉納し、安産・眼病平癒の祈願とすることや、海の亡霊を鎮めるために底を抜いた柄杓を海に投ずることなど、柄杓に関する俗信・習俗が少なくない。

[宮本瑞夫]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (「ひさこ」の変化した語。「柄杓」はあて字)
① 湯、水などをくむための具。竹、木、金属などで作った筒または椀状の器に柄をとりつけたもの。〔文明本節用集(室町中)〕
※説経節・さんせう太夫(与七郎正本)(1640頃)上「五かうにてんもひらくれば、かまとおうこと、をけとひしゃくをまいらする」
② 遊女、特に下等な娼婦をいう語。
※かた言(1650)三「遊女を、ひしゃく」
③ =ひさご(瓠)(一)①
※土井本周易抄(1477)五「包瓜は侖吾に包瓜なれや、繋(かかって)くらはれずと云、にがいひしゃくぢゃ程に繋て食はれぬぞ、からすうりと云ものぢゃとも云ぞ」

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