朝日日本歴史人物事典 「柏原瓦全」の解説
柏原瓦全
生年:延享1(1744)
江戸中・後期の俳人。名は員仍。通称は嘉助。鳩叩斎とも号した。京都の今出川・八条殿町などに住んで,京扇の商いに従事。国学を伴蒿蹊に学び,俳諧は蝶夢に師事した。ことに師を敬する情あつく,蝶夢の遺著『俳諧童子教』『蝶夢和尚文集』を出版したり,松尾芭蕉,蝶夢の句碑を建立したりして,顕彰に努めた。著書は多く,『職人尽発句合』や自身の文を集めた『根無草』などがある。なお「鹿鳴てながめられけり夜の山」の句が喧伝され,「夜の山の瓦全」と称されたこともあった。
(楠元六男)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報