柞田荘(読み)くにたのしょう

改訂新版 世界大百科事典 「柞田荘」の意味・わかりやすい解説

柞田荘 (くにたのしょう)

讃岐国刈田(豊田)郡(現,香川県観音寺市)の荘園。田数は不明。建長年中(1249-56)に後嵯峨上皇より日吉社に寄進されたが,1250年の九条道家処分状によればなんらかの所職が九条家のもとにのこされていたようである。1256年の注進状には,荘の四至として東は紀伊郷堺,南は姫江荘堺,西は大海,北は坂本郷堺をしるし,さらに西の牓示(ぼうじ)として現観音寺市沖約10kmの伊吹島をあげている。1319年(元応1)の日吉社注進状によれば柞田荘二宮・十禅師・大行事社の長日御供料所および十禅師社不断経二季大般若料所であり,また当荘地頭として1279年(弘安2)ころには弘家(不知姓),1348年(正平3・貞和4)には岩田頼国の名が知られる。
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百科事典マイペディア 「柞田荘」の意味・わかりやすい解説

柞田荘【くにたのしょう】

古代の讃岐国苅田(かりた)郡柞田(くぬいた)郷の郷名を継承し,現香川県観音寺市柞田町を遺称地とする荘園。近江日吉社領。1250年九条道家から孫の右大臣九条忠家に譲られた新御領の一つに朴(柞)田荘があり,日吉社に申日御供料所として寄進された。1256年実検が行われ,四至【ぼう】示が打たれて荘域が確定。鎌倉末期,日吉社祠官家祝部氏一族間で当荘をめぐる相続争いが起きている。1400年には柞田地頭職壱分が細川頼長に安堵されており,細川氏の所領となっている。

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