日本大百科全書(ニッポニカ) 「伊吹島」の意味・わかりやすい解説
伊吹島
いぶきじま
香川県西部、観音寺(かんおんじ)市に属し、観音寺港沖西方約10キロメートルの燧灘(ひうちなだ)に浮かぶ孤島。台地状で、花崗岩(かこうがん)上に集塊岩や輝石安山岩がのり、海岸部は崖(がけ)になっている。面積1.05平方キロメートル、最高点121メートル。集落は島の中央の鞍部(あんぶ)に立地する。漁業と畑作農業を行い、カタクチイワシの漁獲量は多い。パッチ網、二艘巻揚繰巾着網(にそうまきあぐりきんちゃくあみ)、船引網、敷網などにより漁獲し、煮干しに加工され全国に出荷される。かつては若者組の名残(なごり)の「連(れん)」や宿親(やどおや)の制度など、民俗学上貴重な伝統を伝えていた。1994年(平成6)より、観音寺港から旅客船が通じている。人口739(2009)。
[稲田道彦]
『『伊吹島の民俗』(1991・香川民俗学会)』