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核時代 かくじだい nuclear age

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知恵蔵2015の解説

核時代

1945年の、米国による対日原爆投下は、世界の心ある科学者や政治家、また被爆意識を共有する日本国民に、兵器の革命的変化と、主権国家時代の終焉(しゅうえん)とを痛感させた。さらに50年代半ば以降の水爆の実験によって、人類共滅の終末観が生み出された。本来、戦争の手段である兵器が、戦争の一切の政治目的を無意味にしてしまったという、戦争観の革命である。他方で核兵器を正当化するために、核抑止などの軍事戦略が案出されたが、米ソ核軍拡競争から核削減への転換には、結局軍事ではなく、冷戦終結という世界政治の構造変化が必要だった。他面、世界に重要な紛争の構造的な根がある限り、核拡散の危険は去らない。科学技術と産業の発達が人類を自殺に導く危険の根底には、近代文明そのものの問題性がある。このことは、原子力の「平和利用」という原発にもあてはまる。だからこそ核時代は、反核・反原発という空前の市民運動を世界各地に生み出すことにもなった。

(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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