桂川甫粲(読み)かつらがわほさん

精選版 日本国語大辞典 「桂川甫粲」の意味・読み・例文・類語

かつらがわ‐ほさん【桂川甫粲】

  1. 江戸後期の、蘭学者戯作(げさく)者、狂歌師。本姓森島。名は中良。江戸幕府の奥医師桂川家に生まれ、桂川甫周の弟。号は万象亭(まんぞうてい)、森羅亭万象、竹杖為軽など。平賀源内に師事し、洒落本滑稽本読本黄表紙を多数著わし狂歌師としても活躍。著「田舎芝居」「夫従以来記」など。宝暦六頃~文化七年(一七五六頃‐一八一〇

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「桂川甫粲」の解説

桂川甫粲 かつらがわ-ほさん

1754-1809* 江戸時代中期-後期の蘭学者,戯作(げさく)者。
宝暦4年生まれ。桂川甫筑(国訓(くにのり))の次男。桂川甫周(国瑞(くにあきら))の弟。蘭学にしたしみ,「蛮語箋」などをあらわす。戯作は平賀源内にまなび,洒落(しゃれ)本「真女意題(しんめいだい)」や黄表紙「従夫以来記(それからいらいき)」などをかいた。文化5年12月4日死去。55歳。江戸出身。本名は森島中良。字(あざな)は虞臣(やすおみ)。号は桂林,万象亭など。戯号森羅万象など。

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世界大百科事典(旧版)内の桂川甫粲の言及

【森羅万象】より

…江戸後期の蘭学者,戯作者,狂歌師。本名森島(のちに中原)中良。通称は甫粲(ほさん)。別号は万象亭,天竺老人,2世風来山人。狂号は竹杖為軽(たけつえのすがる)。江戸の人。幕府医官桂川甫周の弟。平賀源内門下の蘭学者として《紅毛雑話》(1787),《万国新話》(1789),《類聚紅毛語訳》(1798)など多くの著述があるが,戯作者としては,黄表紙に知識人としての軽妙洒脱な作品が多く,《従夫(それから)以来記》《万象亭戯作濫觴(まんぞうていげさくのはじまり)》(以上1784),《竹斎老宝山吹色》(1794)などがあり,また洒落本では初作《真女意題(しんめいだい)》(1781)で,本能のまま行動する田舎侍の野暮さかげんを描いて笑わせ,《福神粋語録(すごろく)》(1786)では七福神の吉原遊びの滑稽を描いたが,《田舎芝居》(1787)は当時の洒落本の行き過ぎた写実の弊をついて,笑いの回復を主張し,のちの滑稽本への礎石をなした。…

【病院】より

…鎌倉時代に新興仏教の布教にともなって,病める貧窮者救助,看護などが熱心に取り組まれたこともある。ちなみに病院という言葉の起源ははるかに後世で,1787年(天明7)刊の森島中良(ちゆうりよう)(桂川甫粲(ほさん))編の《紅毛雑話》に〈同国(オランダ)中にガストホイスという府あり,明人病院と訳す。此府は甚だ広大に構えたり,何故なれば外国より集り来る所の使客並びに国中の病者は貴賤となく,ここに居らしむ……〉と紹介されたのが最初である。…

※「桂川甫粲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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