洒落本(しゃれぼん)、滑稽(こっけい)本。1787年(天明7)初版、1冊。1801年(享和1)改版、2冊。作者は万象亭(まんぞうてい)、竹杖為軽(たけづえすがる)を称した蘭学者(らんがくしゃ)森島中良(なから)。序文で、近年の洒落本が度を過ぎた写実に向かっているので、ここではもっぱら滑稽を趣向とすると、創作意図を述べ、越後(えちご)の寒村における田舎芝居の珍妙異風をつづっている。この趣向は遊里を舞台に、そこでの男女の生態を細かくうがつといった傾向の作品が氾濫(はんらん)し、すでに行き詰まりつつあった洒落本をふたたび滑稽の本道に戻そうとした作品といえる。改版の出現により、以後の滑稽本の方向が決定されたともいわれ、その意味で文学史的に重視される作品である。
[中野三敏]
『水野稔他編『洒落本大成 13』(1981・中央公論社)』
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
…幕府医官桂川甫周の弟。平賀源内門下の蘭学者として《紅毛雑話》(1787),《万国新話》(1789),《類聚紅毛語訳》(1798)など多くの著述があるが,戯作者としては,黄表紙に知識人としての軽妙洒脱な作品が多く,《従夫(それから)以来記》《万象亭戯作濫觴(まんぞうていげさくのはじまり)》(以上1784),《竹斎老宝山吹色》(1794)などがあり,また洒落本では初作《真女意題(しんめいだい)》(1781)で,本能のまま行動する田舎侍の野暮さかげんを描いて笑わせ,《福神粋語録(すごろく)》(1786)では七福神の吉原遊びの滑稽を描いたが,《田舎芝居》(1787)は当時の洒落本の行き過ぎた写実の弊をついて,笑いの回復を主張し,のちの滑稽本への礎石をなした。読本には《月下清談》(1798)の中国種のものがある。…
※「田舎芝居」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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