桜本坊(読み)さくらもとぼう

日本歴史地名大系 「桜本坊」の解説

桜本坊
さくらもとぼう

[現在地名]吉野町大字吉野山

喜蔵きぞう院から登ると左側にある。金峯山修験本宗。金峯山きんぶせん寺塔頭満堂派の有力寺院で、同派最高位の知行割一〇石を受けた(「吉野山惣中御朱印知行割写」密井氏所蔵文書)。もとは南市場みなみいちば町にあり、井光山五台寺桜本坊と号し、当山派一二先達の重代職として寺格高く広壮な建物をもっていた。明治の廃仏毀釈で現在地のもと密乗みつじよう院跡へ移った。仁王門を入ると、左に本堂・聖天堂・大師堂が並ぶ。本尊役行者で、蔵王権現不動尊を祀る。明治の廃仏毀釈時に山内廃寺の諸仏を本坊に集めて安置したので、近年まで諸仏堂の名があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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