出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…この結果到達された諸原理のうち,最も重要なものはブラフマンとアートマンである。ウパニシャッドの哲人たちは,個人の本体であるアートマンと宇宙の根本原理であるブラフマン(梵)とは同一である,すなわち〈梵我一如〉であると説いた。ウパニシャッド以来,アートマンの問題はインド哲学の主要な問題の一つとされ,インド哲学史には,アートマンの存在を認める流れと認めない流れとの二大思潮がある。…
…この傾向は他の3ベーダ・サンヒター(本集),ブラーフマナ(祭儀書),アーラニヤカĀraṇyaka(森林書)に受け継がれるが,ウパニシャッドにおいて頂点に達する。ウパニシャッドは宇宙の根本原理としてブラフマン(梵)を想定し,個人の本体をアートマン(我)に求めて,この両者は本質的に同一(梵我一如)であるとした。またウパニシャッドで明確な形をとった業(ごう),輪廻,およびそれからの解脱の思想は後代のインド思想全体の本質を規定している。…
…ウパニシャッドは主として対話・問答形式で書かれているが,〈古ウパニシャッド〉に限っても数百年の期間をかけて,多数の思想家の手を経て作成されたものであるから,内容的には種々雑多の思想を含み,相互に矛盾する説が収められていることも少なくない。その中で,特にウパニシャッドの中心思想と目され,かつ後世に最も大きな影響を与えたのは,〈梵我一如(ぼんがいちによ)〉の思想である。これは,宇宙の本体としての〈ブラフマン(梵)〉,および人間存在の本質としての〈アートマン(我)〉とをそれぞれ最高の実在として定立したうえで,この両者が本質的には同一であって,その同一性を悟ることによって解脱が得られると説くもので,《リグ・ベーダ》末期以来徐々に発展しつつあった一元論的傾向が,いちおうの頂点に達したものと考えられる。…
…真我を探究したヤージュニャバルキヤの〈非ず,非ずのアートマンneti neti ātman〉という句は,アートマンの至上性,非限定性をあらわすとともに,いっさいの相や形を離れ超えてゆく内観の道を示している。2人に代表されるような立場は,〈梵我一如〉すなわち,世界万有を根本から統一する原理であるブラフマンが個我の内面的本質であるアートマンと別でないという自覚として長くインド精神史を貫いている。ウパニシャッド(2)仏教 仏教がとったさまざまな歴史的形態の内でもっとも典型的に神秘的合一の立場を示しているのは密教である。…
…しかし一般に,元来はベーダの祈禱の文句ならびにその神秘力を意味し,祭式万能主義の傾向が強まるとともに,神々をも支配する力とみなされ,ブラーフマナの時代にはついに宇宙の根本原理,絶対者の一呼称となったと考えられている。ウパニシャッドの哲人たちは,個人の本体であるアートマン(我)はこのブラフマンと同一である(梵我一如)と説いた。インド哲学の主流を成すベーダーンタ学派は,このブラフマンの考究を主要任務とするものとして成立した。…
※「梵我一如」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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