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植民地ナショナリズム しょくみんちナショナリズムcolonial nationalism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

植民地ナショナリズム
しょくみんちナショナリズム
colonial nationalism

一般にはアジア,アフリカ,ラテンアメリカ地域の植民地に広くみられる植民地民族による民族解放のための思想ないし運動をさす。植民地ナショナリズムの第一義的目標は,帝国主義の植民地支配に反対し,民族の独立と自由をかちとるところにあるといえる。したがって,他民族による支配を排除して,民族を基礎に独自の国家を形成することを目指している点では,19世紀の西ヨーロッパのナショナリズムと共通したところがある。しかし他方,経済的自立の達成や土地改革などの社会改革による経済的,社会的格差の是正を目指している点で,独特の特徴があり,西ヨーロッパにみられたナショナリズムに比べ,社会運動的性格が濃い。これは西ヨーロッパの先例と比べ,貧富の懸隔,富の不平等が大きく,中間層が脆弱なこと,また政治的独立の達成はただちに経済的自立の達成を意味せず,国際的不平等が大きいことなどのためである。植民地ナショナリズムの発現形態は,その指導権をだれが握るかなどによって,種々さまざまであるが,長年にわたる帝国主義支配に屈した歴史的運命の共同性の意識が広く存在することにより,国際的な連帯感情が強く流れている。しかし,この連帯性をなんらかの形で組織化しようという試みは,文化の異質性,経済発展段階の違い,宗教的対立などによって,多くの困難に直面してきた。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

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