植物組織培養(読み)しょくぶつそしきばいよう(その他表記)plant tissue culture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「植物組織培養」の意味・わかりやすい解説

植物組織培養
しょくぶつそしきばいよう
plant tissue culture

植物の組織を取り出し,適当な培地を含む培養器中で生育させること。人工的に培養条件の調節ができるため,温度,光,大気成分や種々の物質が植物の生育や分化に及ぼす効果を明らかにすることができる。植物組織培養は 50年以上の歴史を持ち,植物の分化や代謝の機構の解明,細胞による有用物質の生産,新品種の作出などの研究が行なわれている。一般に植物の培養細胞は,培養条件により再び植物体を形成することができるようになる。この現象を利用して器官分化の制御機構の解析や少量の植物試料から多くの個体を得ることが可能である。ニンジンやタバコ細胞を用いた研究は古くからなされ,現在工業的に生産されている物質の例としては,シコニンなどの植物色素や朝鮮ニンジンなどの漢方薬が知られている。また園芸植物などの大量生産,農業上有用な新品種の育成への応用が行なわれている。

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