家庭医学館 「椎骨脳底動脈循環不全症」の解説
ついこつのうていどうみゃくじゅんかんふぜんしょう【椎骨脳底動脈循環不全症 Vertebrobasilar Insufficiency(VBI)】
左右の椎骨動脈(ついこつどうみゃく)は合流して1本の脳底動脈(のうていどうみゃく)になり、生命中枢である脳幹部(のうかんぶ)や左右の小脳半球(しょうのうはんきゅう)に血液を供給しています。
脳の動脈硬化(どうみゃくこうか)が進んでこれらの血管系が細くなったり、つまったりしている部位があると、血圧が下がったり、熱が出て脱水状態になり、脳の血流量が減少すると、めまいがおこります。
症状は一過性ですがくり返します。めまいだけでなく、舌のもつれや視野が狭くなったり、両足の力が抜けたりするときは、脳梗塞(のうこうそく)のまえぶれであるため(一過性脳虚血発作(いっかせいのうきょけつほっさ))、すぐに医師に診察を受ける必要があります。
めまいやふらつきだけで、ほかに症状がなければ、ほとんどの場合は良性のものです。頭痛をともなうときは、検査の必要があります。めまいやふらつきは、耳の病気、頸椎症(けいついしょう)、低血圧、貧血(ひんけつ)、更年期障害(こうねんきしょうがい)などでもよくみられます。