榛沢新田
はんざわしんでん
[現在地名]岡部町榛沢新田
櫛挽台地の北西端に位置し、東は岡村・山川村、西は志戸川を境に後榛沢村。かつては榛沢村に含まれていたといわれ(風土記稿)、近世初期までに分村している。同書によると、隣接する野辺村は元禄(一六八八―一七〇四)頃に榛沢新田の村人が開発して入作を行ったという。しかし両村の境界は定かでなく、のち榛沢新田に編入されたとみられる。なお野辺村は中世の野辺郷の遺称地とされる。貞和五年(一三四九)一二月八日の野辺盛忠譲状写(野辺古文書)によると、野辺盛忠は惣領愛寿丸(泰盛)に「榛沢郡野辺郷」の行貞名地頭職や軍忠状などをすべて譲っているが、野辺郷地頭職は野辺氏の太郎左衛門入道(成顕か)―河念―久盛―盛忠―泰盛と相伝されている(「野辺郷相伝系図写」同文書)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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