化学辞典 第2版 「構造粘性」の解説
構造粘性
コウゾウネンセイ
structural viscosity
ずり応力σとずり速度κの比
ηa = σ/κ
で定義される見掛けの粘度 ηa が,κとともに減少することをいう.流体中での構造の形成や破壊に伴う異常粘性と考えられるので構造粘性とよばれた.たとえば,コロイド分散系では,静止した状態では粒子の相互作用による種々の構造をつくっており,流動とともに弱いものから順次破壊分散するために ηa が減少する.高分子溶液や溶融体における構造粘性の原因としては,希薄溶液において支配的な効果である分子の配向効果と,濃厚溶液,溶融体において支配的な因子である分子鎖のからみあいの減少によるものとがある.希薄溶液においては,糸まり状高分子の場合,流れによる分子の変形も原因となる.[別用語参照]非ニュートン粘性,チキソトロピー
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報