チキソトロピー(英語表記)thixotropy

翻訳|thixotropy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チキソトロピー」の意味・わかりやすい解説

チキソトロピー
thixotropy

揺変性ともいう。振盪 (しんとう) ,攪拌など単なる機械的刺激によって,可逆的にゾルからゲル,ゲルからゾルに転移する現象。一応固化しているゲル状態の砂層が地震の振動によって暫時液状のゾル状態になるような現象。新潟地震のとき地下水とともに砂が吹上げられ,また重量のある高層アパートが土にめりこみ倒れたのもこの現象による。大阪,名古屋など沖積平野の砂泥層でも地震による建築物の被害のなかにこの現象によると指摘されたものがある。土木用語のクイックサンドはこの性質のある砂のこと。ゾルがゲルに転移するために起る現象として,クラゲ化石成因があげられる。また粘土に落ちた雨滴に掘られた穴の形がそのまま残ることは実験できるので,地層の中にみられる雨滴の化石もこの現象によるものとされる。

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