日本大百科全書(ニッポニカ) 「槐樹社」の意味・わかりやすい解説
槐樹社
かいじゅしゃ
洋画団体。1924年(大正13)3月、帝展の中堅作家高間惣七(そうしち)、熊岡美彦(くまおかよしひこ)、牧野虎雄(とらお)、斎藤与里(より)、田辺至、大久保作次郎らによって結成され、同年6月第1回展を開催、毎春公募展を開き、26年より機関誌『美術新論』を刊行した。帝展の外郭団体としてフォーブや立体派を取り入れ、日本画様式にも着目し官展の主流をなした外光派に新味を添えたが、31年(昭和6)12月解散。その流れをくむものに、翌32年高間、斎藤、熊岡らが結成した東光会、さらに33年牧野が主宰した旺元社(おうげんしゃ)(のち旺元会)、そして第二次世界大戦後の58年(昭和33)に発足した新槐樹社などがある。
[佐伯英里子]