朝日日本歴史人物事典 「樋口謙之亮」の解説
樋口謙之亮
生年:文政8.5.7(1825.6.22)
幕末の対馬藩士。名は致一。天保14(1843)年出仕。藩政批判によりしばらく謫居させられていたが,万延1(1860)年10月同志と脱走して世子決定,藩政刷新を訴える。文久2(1862)年8月の江戸詰家老佐須伊織打倒のクーデタに加わったのち,大島友之允らと共に長州(萩)藩など尊王攘夷勢力と連携しつつ,幕府に対する対馬藩援助要求運動に尽力し,翌年には周旋掛,京都留守居となる。元治1(1864)年10月の国許での勝井騒動では難を逃れ,慶応1(1865)年5月同志と共に勝井五八郎を討ったが,翌年3月13日夜に対馬府中で歩行中暗殺された。<参考文献>賀島砥川『対馬志士』,川本達『対馬遺事』
(木村直也)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報