権現後遺跡(読み)ごんげんうしろいせき

日本歴史地名大系 「権現後遺跡」の解説

権現後遺跡
ごんげんうしろいせき

[現在地名]八千代市ゆりのき台七丁目など

しん川の支谷に南面する標高約二四メートルの台地上に位置。萱田かやだ遺跡群に属し、旧石器時代から奈良・平安時代に至る複合遺跡。旧石器時代は六つの文化層(立川ロームII・III、III上、IV・V、VI、VII、IXの各層)の二四の石器集中地点から四千四九二点もの石器群が出土した。このうちナイフ形石器を主体とした石刃石器群を有する第五文化層(VII層)や石斧と台形様石器とが共伴した第六文化層(IX層)の石器群も重要であるが、とくに第四文化層(VI層)のナイフ形石器を主体とした石器群は、信州系黒曜石を用いた稜形成を伴う石刃技法を有し、南関東のVI層段階の地域相を象徴する最も豊富な資料として流山市若葉台わかばだい遺跡や印西いんざい木苅峠きかりとうげ遺跡とともに全国的に知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報