横坂郷
よこさかごう
大田庄山中郷の西北部に位置する中世郷で山中一二郷の一。江の川水系に属する馬洗川流域の横坂谷が中心で、郷域は現長田および山中福田のうち字福田を含む。建久元年(一一九〇)六月日付僧鑁阿置文(高野山文書)に、備後国大田庄の官物田のうち村々別作田として「横坂ノ福田長田」とある。以下高野山文書によると、横坂郷の地頭は一四世紀の初め頃は三善氏の一族富部有綱・有冬で、元徳二年(一三三〇)一〇月三日の備後国大田庄雑掌一分地頭和与状によると、有冬は山中横坂郷の一分地頭であった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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